巨大なブラックホールが発見されました!でもそれは、ありえないと思われていたことが真実へと変った瞬間でもありました。
ブラックホールの新たな情報をご紹介します。
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・発見したブラックホールは想像以上
2019年11月28日(木)に衝撃のニュースが飛び込んできました。
なんと、中国科学院国家天文台の劉継峰教授が天の川銀河の中で巨大なブラックホールを発見したというのです。
これだけだと、ただ単にブラックホールが見つかっただけかと思う方もいるでしょう。
実はこのブラックホール、太陽の70倍の質量を持っているというのです。
名前はLB-1、今までの恒星の進化をみていくと、ここまでの質量を持ったブラックホールは誕生すること自体考えにくいというのです。
何が原因でここまでの質量を持ったブラックホールが誕生したのでしょう?
それはまだ判明していません。でも、これだけ重いブラックホールを発見したのはとても驚くべきことなのです。
・どうやって発見したの?
中国の国家天文台が率いている研究チームが発見しました。
2016年の秋から、中国が独自で開発した国家重大科学技術基礎施設となっているLAMOST:郭守敬望遠鏡を使って行われたのです。
2年をかけて3000個以上の恒星を観測し続けました。
そして太陽の8倍の質量を持った青い恒星が、規則的な動きをして何かの周りを回っているのを見つけたのです。その何かは見えないものでした。
目に見えないもの、見えない天体、これはブラックホールであることが非常に高いのです。
まずは確認作業を。これは大きな望遠鏡でないと確認できないので、アメリカにある10メートル口径のケック望遠鏡と、スペインにある10.4メートル口径のカナリア大天体望遠鏡を使い確認。太陽の70倍の質量であると判明したのです。
ずっと観測を続けていたからこそ、見えたものがあったのですね!
・ブラックホールはいくつあるの?
銀河系には、恒星ブラックホールがいくつあると思いますか?
答えは約1億。恒星ブラックホールは、超新星爆発によって誕生します。星の一生が終わったときに起きる現象です。これは、太陽より8倍以上も質量のある星に起きやすい現象で、爆発したあと小さな天体が残ります。この天体は密度が限界まで高くなったもの。とても質量が高いのです。これが後にブラックホールになる可能性が高い天体です。
こういった天体が銀河系には複数あるので、ブラックホールもそれだけの数が存在しているのではないかといわれています。
私たちのいる場所は天の川銀河ですが、ほかにも銀河はたくさんあります。
そして、その銀河の中心には巨大なブラックホールがあるので、銀河の数と同じくブラックホールもあるのではないかということ。
そう考えると宇宙には、1000億個以上あるのでは?といわれています。
それだけの数があってもおかしくはないのです。
・ほかにも発見されていたものが
巨大ブラックホールが見つかる数日前に、ブラックホールが生まれるときに発生するエネルギー「ガンマ線」を、地上にある望遠鏡で観測できたと発表がありました。
以前は衛星で観測したことがありますが、その約10倍のエネルギー。
しかも、想定していた発生方法とは異なっていた!このことは、宇宙の仕組みやブラックホール誕生のプロセスを知るのに、とても重要な手掛かりになるのではと考えられています。
ちなみに、宇宙で最大の爆発現象のことを「ガンマ線バースト」といいます。初めて観測したのは、スペイン領のカナリア諸島ラ・パルマ島でした。
エネルギーはとても強く、可視光の1兆倍でこちらも想定していた原理では理解できないとのこと。今後も詳しく調べていくようです。
ブラックホールには、まだ解明されていないたくさんの不思議があるのです!
・実はこれも発見されていた
巨大なブラックホールが発見される前、実は観測史上最小のブラックホールも発見された可能性がある発表がありました。
それは太陽の3.3倍の質量。直径19キロメートルほどではないかといわれています。
地球から約1万光年離れている場所にいるようです。
巨大ブラックホールが太陽の70倍なので、このブラックホールはとても小さく感じますね。
ただ、実際の質量がはっきりと観測されたわけではなく、これからまたさまざまな方法で確実な質量を観測していくとなっています。
巨大なブラックホールがあるなら、最小のブラックホールもありますね♪
宇宙の神秘にまだまだ魅せられそうです。
まだまだ宇宙の謎は解明されていません。
これからもさまざまなことが分かってくるでしょう。
新しい発見が楽しみですね♪