最近星空は見ていますか?季節によって見える星座も方角も違います。春に見える星座
は主に3月〜5月。どの方角にどの星座が見えるのか、ご紹介します。
※3月の午前0時頃、4月の午後10時頃、5月の午後8時頃に見える星座です。
Contents(気になる見出しをクリック)
・どこに見える?春の大曲線・大三角
星空を見て、星座がわかったらいいなと思うときがありますよね。
星座を探すうえで、目印になるものがあります。
春の大曲線と大三角、これをみつけるとまわりの星座が分かってきます。
まずは大曲線です。
北の空高いところに、スプーンのような形がみえます。これが北斗七星です。
北斗七星は、おおぐま座の尻尾を表しています。
スプーンの柄にあたる星が3つあり、そこからカーブを描いていくとまわりの星に比べてとても明るい星があります。
うしかい座のアルクトゥルスです。カーブをさらに伸ばしていくと、明るい星がもう一つ現れます。
おとめ座のスピカです。
春の大曲線とは、北斗七星・アルクトゥルス・スピカをつなぐ大きなカーブのことをいいます。
春に見える星座のガイドとしても役立っている春の大曲線。では大三角はどこでしょう。
うしかい座のアルクトゥルスとおとめ座のスピカ、この星と三角形になる星があります。
しし座のデネボラです。三つの星を繋げてできた大きな三角形を「春の大三角」といいます。
・春の北に見える星座
北には北斗七星、おおぐま座があります。季節や時間、北極星をみつけるために基準となる
星座です。そのため、古くから大切にされてきた星座なのです。
おおぐま座の近くに小さなスプーンの形をしたこぐま座もあります。こぐま座の尻尾の先は北極星となっています。
天の北極に一番近く、日本で一年中見ることができる星座です。
おおぐま座とこぐま座には、少し悲しいギリシャ神話があります。
月と狩りの女神「アルテミス」に仕えていた美しい女性「カリスト」、大神ゼウスに気に入られ子供を身ごもります。
それを知ったアルテミスはカリストを追放、その後息子「アルカス」を産みます。
ゼウスの妻「ヘーラー」はカリストを妬み、美しい姿から醜い熊に変え森の中で暮らすことに。
ある日、成人したアルカスが森にやってきて、熊になったカリストと出会いますが、気づかないアルカスは弓を引こうとしました。
これを見ていたゼウスは哀れんで2人を天に上げ、カリストはおおぐま座、アルカスはこぐま座として星座にしたとされています。
春の北の空には、カシオペア座も見ることができます。北極星を挟んだ反対側に見ることができ、
Wの形になっているので、とても見つけやすいです。
ほかには、はくちょう座、きりん座、りゅう座もあります。
・春の南に見える星座
南にはおとめ座、しし座、ケンタウルス座、ろくぶんぎ座、コップ座、からす座などが見えます。
おとめ座、しし座は黄道十二星座ですね。
南の空高くには、かみのけ座があります。
かみのけ座は明るい星たちを繋げて作る星座ではなく、複数の星が集まったところを髪の束として見立てたとても珍しい星座。
渦巻き銀河として有名なNGC4565など多くの銀河が集まった、かみのけ座銀河団があることでも有名です。
ギリシャ神話も存在します。
紀元前2世紀に実在した古代エジプトのベレニケ王妃の髪の毛にちなんでいます。
ベレニケ王妃は、夫プトレマイオス3世が戦場に出陣した際、無事に戻ったなら自分の美しい髪を
愛と美の女神アフロディーテに捧げると、神殿に供えました。
プトレマイオスは戦いに勝利し、戻ってくると神殿に供えた髪が空に上げられ星座として輝いたといわれています。
1602年にティコ・ブラーエによって、正式に星座に加えられました。
全国各地で見ることは可能ですが、星々がとても暗いので肉眼では見えにくいでしょう。
・春の東に見える星座
東にはへびつかい座、へび座、うしかい座、りょうけん座、かんむり座、てんびん座、さそり座などが見えます。
てんびん座、さそり座は黄道十二星座ですね。
大曲線や大三角で登場した、うしかい座。2匹の猟犬を従えてこぶしを振りかざした姿の星座です。
ギリシャ神話は、天空を両腕で支える巨人アトラスだといわれていますが、実際は正体不明。
うしかい座には1等星アルクトゥルスがあります。アルクトゥルスとは「熊を追うもの」という
意味。おおぐま座のうしろをついてまわっているので、まさしく!ですね。
ちなみに、従えている2匹の猟犬は北側の犬をアステリオン、南側の犬をカーラといい、おおぐま座
を追っているように見えるといわれます。
新しい星座なので神話はありませんが、うしかい座に従っておおぐま座を追いかけているという
従順なところが犬の性質ですね。
・春の西に見える星座
西にはオリオン座、こいぬ座、いっかくじゅう座、かに座、ふたご座、こじし座、うみへび座、
ぎょしゃ座が見えます。かに座、ふたご座は黄道十二星座です。
オリオン座は有名ですね。基本的には冬を代表する星座といわれていますが、春も少しみえます。
この中で、うみへび座についてのギリシャ神話があります。
神話の中では、九つの首を持つ大きな水蛇で、ギリシア・アルゴス地方にあるレルネの沼に住む怪物、ヒュドラとされています。
ミュケナイ王エウリュステウスから、ヒュドラを退治するよう言われたヘラクレス。
ヒュドラは頭を切り落としても新しい角が生えてくる怪物、ヘラクレスは苦難を強いられます。
考えたヘラクレスは、頭を切り落とした直後に松明で焼くことでヒュドラを退治します。
このヒュドラが天に上げられ、うみへび座になったといわれています。
春に見える星座、いかがでしたか?
冬に比べ、少しずつ温かくなってくるので、外に出て星座を探しやすくなりますね。
星座早見表を使って見るとよくわかるでしょう。
あまり有名でない星座もたくさんありますので、探してみてはいかがでしょう。