2018年の今年、火星が地球に大接近することはご存知ですか?
火星が大接近するとは、どういうことなのでしょう?
そのとき火星はどのように見えるのかを調べてみました。
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・火星は赤く輝く惑星
みなさんもよくご存知の火星。太陽系では地球のひとつ外側を公転している惑星ですね。
火星人がいる!という噂も耳にしたことがあるのでは?それだけ身近な火星ですが、火星は宇宙や地球からどう見えているかご存知ですか?
火星という名のごとく、やはり赤く見えます。
ですが、この赤は「火」の赤ではありません(当たり前でしたね)。
地球のように表面に海がなく、酸化鉄(赤サビ)が大量に含まれているので、赤く見えるのです。
惑星の色は不思議ですね。地球が綺麗な青色に見えるのは海のおかげですから、海の存在はとても大きなものであると実感できます。
この、赤く輝く火星を見たいと思いませんか?
2018年の夏、チャンスが訪れます!
・火星大接近ってどういうこと?
太陽系の惑星は、それぞれ異なる周期で太陽のまわりを公転しているため、惑星の位置はいつも変わっています。
太陽に近い惑星は、1周のスピードが速く、遠くなるにつれて遅くなります。
地球は火星の内側を公転しています。地球公転周期は365日、火星公転周期は687日です。
約2年2カ月の周期で追いついて、追い越すのですが、この時期に火星と地球の距離が近くなります。
それを、火星接近といい、最も距離が近くなるときを最接近といいます。
ちなみに、火星の軌道は少しつぶれた楕円形、そのため最接近する距離は毎回異なるのです。
2018年は、火星が最接近する年であり、地球と火星の軌道がさらに近くなり大接近する年になります。
1月1日、地球と火星は3億キロメートル離れています。
それが、夏になると5759万キロメートルまで接近!
そして木星よりも明るくなるのです。
ただ、残念なことに最接近の時刻は、日本ではまだ空に火星が昇ってきていません。
しかし、その時刻だけ近付いているわけではなく、数週間同じ方向に公転しているので接近状態が続きます。
2018年の夏から冬の始め頃にかけて、赤く輝く惑星「火星」を見ることができるのです。
・いつ頃、どのあたりに見えるのかな?
まず、一番接近する日は、2018年7月31日です。
このときの距離は5759万キロメートル、これが大接近と呼ばれる日です。
このとき時刻は16時50分、日本ではまだ、火星が空に昇ってきていません。
日本では、19時前に南東の空から昇り、真夜中頃に真南に見えます。
21時頃、東の空から月が昇ってくるのですが、月の光に負けないほど赤く輝きます。
とても綺麗に見えるでしょう。
これは東京で見える時間ですが、日本のどの都市でも見え方はほぼ同じです。
赤く輝く火星を見られる日が、この日だけではないと先ほどもお話ししましたね。
実は1月〜4月頃までは、真夜中過ぎに東の空から昇り始め、日の出前の東から南東に見えます。
5月以降は真夜中より前に昇って、日の出前の南の空で光り輝きます。
6月下旬には、さらに明るく見えるようになり、7月8日からは木星よりも明るくなるのです。
そして7月31日を迎えるのですが8月もまだ見ごろが続いて、日の入りよりも先に、東の空から昇ってきます。
9月も引き続き見えており、宵の南東から南の空に見えるので観察しやすくなります。
ただ、9月11日以降は木星よりも暗くなります。
土星よりは明るく光るのでまだ観察できますね。
10月〜12月も宵の南の空に見えています。
大接近していたときに比べると、だいぶ暗くなっているのですが、空気も澄んでいるのでみることはできそうです。
・火星の観察は望遠鏡を使ってみよう!
火星の最接近を観察するなら、望遠鏡を使って見ることをおすすめします。
なぜなら、表面の模様「大シルチス」が見えるからです。
最接近付近、火星はとても明るく輝いているので、肉眼でも大きく見えるような気がするのですが、火星の形や細かい変化はやはり望遠鏡でないとみることは難しいです。
望遠鏡を使う際はできるだけ口径の大きな望遠鏡を使ってみましょう。
表面の模様がとても観察しやすくなります。
しかし、望遠鏡で見る火星の模様はとても淡く見えます。
さらに、地球の大気のゆらぎが原因でゆらゆら揺れているように見えるのですが、わずかにゆらぎが小さくなり見えやすくなるときがあります。
じっと観察していると、その瞬間が訪れますので根気が必要ですね。
望遠鏡でゆっくり時間をかけて観察していれば、きっと火星表面の模様を見ることができるはずです。
楽しみながら、観察してみましょう。
・次の火星最接近はいつ頃?
火星が地球に最接近するのは、約2年2カ月ごとでしたね。
次の最接近は、2020年10月6日で、距離は6207万キロメートルとなります。
2018年の最接近より、少し離れていますね。
それでも、とても明るく見えるので、観察も楽しいものになるでしょう。
それからは、最接近の日でも距離が少しずつ離れてしまうので、小さく見える時期が続くでしょう。
2018年に見える距離に一番近い次の最接近は、2035年9月11日となります。
5691万キロメートルまで近付くので、2018年に見える火星の大きさよりも少し大きく見えます。
2018年の次に大きく見える年が2035年ということは、2018年の今年に是非とも見ておきたいと思いませんか?
ちなみに、2003年に最接近した距離は5576万キロメートルで、とても大きく見えていました。
次に2003年を上回る最接近は、2287年8月29日で距離は5569万キロメートルです。
これは、とても大きく見えるでしょう。残念ですが、今の私たちには2287年の火星大接近は見ることができませんね。
それまでに、何度か2018年よりも大接近する年はありますので、そのときしっかりと見ておきたいものです。
いかがでしたか?
2018年は火星が地球に最接近します。
夏の夜空に、赤く輝く火星を見ることができるなんて、とてもおもしろいですよね。
今年の夏は、天体ショーで盛り上がりましょう!!