太陽系の中で最も大きな惑星である木星。
木星には不思議な模様と、土星のようにはっきりとはしていませんが淡いリングがあります。
木星の不思議に迫ってみましょう。
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・木星ってどんな惑星?
木星の基本情報をみてみましょう。
太陽からの平均距離は7億7830万km、大きさは赤道半径71492km。
質量は地球に対して317.83倍です。
直径は地球の約11倍なので体積も大きく地球の約1300倍もあります。
太陽系で最も大きな惑星ですが、重さは地球の約318倍しかありません。
意外にそこまで重くないのですね。
木星にはとても強い固有磁場があります。
周りには大きな磁気圏が発達し、木星電波を発生しています。
これは地球からも観測することができるほど強いものであり、また地球と同じく木星でも両極にオーロラの発生も見られます。
・模様が特徴的!
木星の特徴といえば、あの縞模様ですよね。
この独特な模様は、大気中に浮かんでいるアンモニアの氷でできた雲なのです。
色の違いもありますが、これは雲の粒の大きさ・雲の厚さ・元素の違いなどさまざまな要因によって差が出ています。
一番目をひく巨大なうずは木星の模様でも有名な部分ですね。
これは赤い斑点模様で「大赤斑」と呼ばれていて、さきほど出た雲によってつくられているのですが、なんと大きさが地球3つ分!
時速100kmで左まきにうずを巻いていますが、これは地球の台風やハリケーンに似ている現象なのです。
しかも、17世紀に発見されてから300年以上も存在しているといわれていて、できた原因も長期間消えない理由も分かってはいません。
木星の大気の厚さは約5000kmですがこのうち約9割が水素、残りはヘリウムで内部に近づくにつれ、液体水素や液体金属水素の層があります。
これは、水素が高い圧力により圧縮・液化され電気を通すことができるものとなったことをいい、
中心部は合金(岩石・鉄・ニッケル)の核があると考えられているのが木星の構造です。
・自転が早い?!木星の1日
木星は大きな惑星ですので、自転にも時間がかかるかと思われるかもしれません。
ですが、木星の自転はとても速く周期は約10時間!
1日が約10時間で終わってしまうのです。
非常に速く自転しているので、強い遠心力がかかり赤道方向に少しつぶれた形をしています。
ちなみに、木星の1年は地球の約12年に相当します。
木星が太陽の周りを1周する間に、地球は約12周していることになるのです。
太陽からみて、木星は地球よりも外側を公転していますので時間はかかりますが、その間に地球が12周もしているとは驚きですね。
木星は、自転軸がほぼ垂直で季節変化もほとんどありません。
木星の表面温度は-140℃ですが、太陽からくる輻射熱で計算した温度よりも高いため木星の内部から熱を発生している可能性が考えられています。
・木星にもある淡いリングと複数の衛星
木星にもリングがあることはご存知ですか?
土星ほどくっきりとはしておらず、淡くて細いものですが3つの箇所から存在しています。
木星表面に接しているトーラス環、幅6400km厚さ30kmある少し明るい主環、外側の薄いゴサマー環。
惑星探査機「ボイジャー1号」によって明らかにされたのですが、淡すぎて木星の明かりで見えなくなってしまうほど。
このリングは、細かい岩石粒子でできていて塵の比率も高く、衛星から放出された物質と考えられています。
その衛星は複数あり、2018年の7月時点で79個あることが分かっています。
そのうち大きな4つの衛星、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストはガリレオ・ガリレイが発見したのでガリレオ衛星と呼ばれ、中でもガニメデは太陽系一番の大きな衛星で月の1.5倍、惑星である水星よりも大きいことになるのです。
・木星をみつけよう!
木星は明るい惑星なので、夜空で見つけやすい星です。
春は明け方に南の空・夏は20時頃南西付近・秋冬は夕方、南西の低い空に見えますが日の入り1時間~2時間程度で沈んでしまいます。
木星がよく見えるのは夏の夜空ですね。
2018年の8月は、夜空に金星・木星・土星・火星の4つの星を南東から西にかけて同時に見ることができました。
4つの惑星が並び、同時に見ることができるのはとても珍しいことだったので、感動した方も多かったのではないでしょうか。
夏は、冬のように寒くはないので夜空を眺めやすい時期です。
冬は空気が澄んでいるので星は見やすいのですが、日没後数時間で木星は沈んでしまうため、観測するなら夏がおすすめです。
いかがでしたか?
木星は明るく大きな惑星なのですが、軽いとは想像ができませんよね!
不思議な模様は雲だったことも驚きです。
この模様は天体望遠鏡でも見えますので、機会がありましたら是非覗いてみましょう。