水星は太陽に一番近い惑星とはわかっているけれど、実際どういう惑星なのかはわからないという方が多いのでは?
太陽系で一番最初に出てくる水星についてみてみましょう。
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・水星ってどんな惑星?
まず、水星の基本情報から見ていきましょう。
水星は、太陽系で最も太陽に近い惑星ですね。
太陽からの距離は平均5791万km、大きさは直径4879kmです。地球の約5分の2の大きさ、18分の1の重さとなっています。
なぜこんなに小さいのに重いのか、それは直径3分の2から4分の3の巨大な核があると考えられているからです。
でもこの巨大な核、固体だと思いますよね。小さな惑星だからこそ、急速に冷えていくので中は固体であると考えられていました。
しかし、月や惑星の探査機「マリナー10号」が水星固有の磁場を発見したため、地球と同じように内部は溶けているのでは?となり液体の核を持っている可能性が高くなったのです。
水星の構造は、鉄やニッケル合金でできた大きな核、外側にケイ酸塩のマントル、そして一番外側にはケイ酸塩の地殻があります。
鉄やニッケルの核が大きいからとても重いのですね。
これだけ小さな惑星なのに、何故核が溶けた状態で存在できるのかは大きな謎となっています。
・水星クレーター
水星の表面は、どうなっていると思いますか?
太陽の近くにある水星は、日没直後と日の出の直前の短い時間しか見ることができません。
短時間しか確認できないので、観測することが困難でした。そのため、詳しいことは分かっていなかったのです。
ここで登場するのが、さきほどの「マリナー10号」。初めて水星の表面を観測することに成功したのです。
すると月のように、無数のクレーターで覆われていることが判明!
一番大きなクレーターは直径1300km、水星の直径4分の1以上!これは、「カロリス盆地」と呼ばれています。
ほかにも、しわのような地形は高さ2kmを超える断崖「リンクル・リッジ」。
水星が作られたとき、とても熱かった核が冷えて収縮する際に縮んで作られたのではないかといわれています。
とても不思議な惑星ですよね。
・水星の1日と1年
では、水星の1日はどうなっているのでしょう。
太陽のまわりを1周するのにかかる日数は、88日です。ということは、水星の1年は88日なのですね。
ちなみに、1自転は59日かかるので水星の1日を夜明けから次の夜明けまでと考えた場合、地球の176日分もかかることがわかりました!
この結果、水星の1年よりも1日の方が長くなる、ということが判明。
1日が1年の2倍とはなんとも不思議なものですね。
水星で日が当たる面はどうなっているのかというと、地球から見える月と同じように、同じ面を太陽に向けていると考えられていましたが、水星は太陽を2周する間3回自転していました。
なぜ同じ面を向けていると考えられていたかは、観測に関わっています。
地球で水星を観測できるのはごくわずかな時間です。
日没直後と日の出直前、この観測したときはいつも同じ面を向けていたからなのです。
でも本当は違ったのですね。
・こんなに違うの?!昼と夜の温度
昼と夜の温度差が激しい惑星は多いですよね。そのため、人間が住むには無理のある気候となってしまいます。
太陽に一番近い水星は、光や熱の影響を非常に強く受けています。
それはなんと地球の7倍!
昼は表面温度が摂氏400度!太陽にもっとも近いだけのことはあります。
反対に太陽の方を向いていない面は摂氏マイナス160度まで下がります。
これは大気がほとんどないことに加え、ゆっくりとした自転なので、太陽に当たっていない面は熱を奪われてしまうからなのです。
(ちなみに、摂氏マイナス160度とは長い夜が明ける直前の温度となります。)
太陽から一番近い惑星なので暑いであろうと思われますが、大気や自転の関係でここまで冷えてしまうのですね。
大変過酷な環境です。
・水星をみつけよう!
水星は、地球から見るには太陽が沈んだ直後と太陽が昇る直前にしか見えないとお話しましたね。
太陽に近い惑星ですから、日が沈む西と日が昇る東に見ることができます。
しかし見える位置はとても低い位置です。そして少し明るい時間帯にしか見ることができないので探すのはとても大変。
これだけ見つけにくい水星ですが、一番見える時期があります。
それは太陽から一番離れた時期。
この時期を「東方最大離角」・「西方最大離角」と呼びます。地球からみて、内惑星が太陽の東側・西側にある時期のことをいいます。
「東方最大離角」の時期は日の入りの西の空、「西方最大離角」の時期は日の出前の東の空でよく見えることになるのです。
水星を見つけるには、まず金星を見つけましょう。
金星はとても明るい星なので見つけやすいです。金星の付近にそこまで明るくないですが光っている星があれば、それが水星です。
日没の40分後、日の出の40分前に数分間というとても短い時間ですが、見ることができるのでチャレンジしてみてはいかがでしょう?
※2018年は12月7日頃〜12月24日頃の期間、日の出直前の南東の空に水星をみることができます。
いかがでしたか?
小さいのに重い惑星といわれている水星。
地球から見るにもわずかな時間しか見られないので、あまりなじみがなかったのかもしれません。
2018年は冬の明け方にみることができそうなので、早起きして温かい服装でみることができるといいですね!