地球に一番似ているといわれている金星。
夕暮れや日の出に明るく輝いて見える金星は、一番星と言われますよね。
一番星が地球に似ている?!どこがどう似ているのか、みてみましょう。
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・金星ってどんな惑星?
まず、金星の基本情報を知りましょう。
太陽からの平均距離は1億820万km、水星の次に太陽に近い惑星ですね。
そして、地球に一番近づく惑星です。地球から金星までは4140万km。
大きさは赤道半径6052kmなので地球の0.95倍。地球に対しての質量は0.815倍です。
数字を見ると、大きさ・重さ共に地球とあまり差がないことがわかります。
しかし、これだけでよく似ているといわれているわけではありません。
内部構造も地球とほぼ同じだと考えられていることも深く関わっています。
地表から約30kmの深さまでケイ酸塩からできている地殻があります。
その下にはケイ酸塩からできているマントル、中心部は金属の鉄やニッケルからできている核があります。
この構造からみても、地球と同じような構造のため金星は地球に似ているといわれているのですね。
・金星は雲に覆われている
金星には、ほぼ二酸化炭素からできている分厚い大気があります。
二酸化炭素には強い保温効果があるので、金星の表面温度は昼・夜共に摂氏470度!
これは、太陽に一番近い水星よりも高い温度です。
これだけ温度が高いのですが、太陽から直接地表に届いている温度ではありません。
どういうことなのでしょう?
実は、金星の大気中には硫酸の粒でできた雲がものすごい厚さで広がっています。その雲が太陽の光を遮っているのです。
そしてこの雲、硫酸の雨を降らせます。しかし、地表が高温なので地表に到達する前に蒸発してしまいます。
では、表面はどうなっているのでしょう?
実は、火山によって作られた地形が多いことが判明しています。隕石からなるクレーターもありますが、3km以下のものはないのが特徴です。
それは分厚い大気があり表面に届かないから。
5億年以上前のクレーターも見つかっていません。このことから、大きな火山活動によりクレーターが埋められた可能性があるからです。
ということは、5億年前に大きな火山活動があったと考えられます。
金星は溶岩で作られた地形が多いため、地球や火星に比べて平坦な惑星といえます。
・なぜその方向に?!金星の1日と満ち欠け
金星の公転周期は約225日で、自転周期は約243日です。
自転の方が長いので、1年よりも1日の方が長い特徴があります。
そのうえ、自転方向がほかの惑星と反対向きとなっているので、太陽は西から昇って東に沈んでいく不思議な惑星です。
ただ、金星からは分厚い雲の影響で太陽は見えません。金星がなぜ、この自転なのかはまだわかっていないのが残念です。
地球からみて、太陽の近くに金星があります。そのため、夕方・明け方の空に見え、夜中は見ることができません。
「宵の明星」・「明けの明星」と呼ばれるのは、聞いたことがある方も多いのでは?
空に見える一番最初の星「一番星」は、金星のことなのです。
金星は月のように満ち欠けをします。それは地球のすぐ内側を回っているので、金星と地球の間が遠いときと近いときでは、金星の見える大きさが変化するのです。
最も太陽から離れると、半月形に見えるときもあります。
月の様に満ち欠けをするなんて、不思議な惑星ですね。
・「あかつき」は日本の金星探査機
日本初の金星探査機「あかつき」は2010年5月に打ち上げられました。
H-IIAロケット17号機によって打ち上げられ、順調に飛行。しかし、2010年12月17日軌道制御用の主エンジンが故障、失敗に終わりました。
その後2015年12月7日に、金星の周回軌道へ入れることに成功。2016年4月から定常観測を行っています。
「あかつき」の役割は、金星全体の気象現象や地表、宇宙空間に出る大気観測など。
大きな疑問のひとつに金星表面に吹き荒れる暴風「スーパーローテーション」があります。秒速100mの風は100時間ほどで金星を1周してしまうほど。
自転の周期が遅いのに対し、なぜこのような強風が吹いているのかが分かっていないため「あかつき」は解明できるよう期待されているのです。
・金星をみつけよう!
金星は、さきほどお話したように夕方と明け方に見ることができます。
夕方なら西、明け方なら東の空です。
太陽系で地球よりも内側の軌道を公転するので内惑星といい、太陽近くの空に見えるのが特徴となります。
そのため、真夜中には見えない惑星です。
夕方や明け方に太陽の方向を見てみましょう。とても明るく光っている星があるはずです。
金星が一番明るく光るときは、マイナス4等級にもなります。
※等級とは天体の明るさを表すものです。数字が小さい方が明るいのですが、0等級よりも明るい天体はマイナスを用います。
ちなみに太陽はマイナス26.7等級。
一番星といわれているくらい早く光る星なので、きっとわかるはずです。
単なる星と思っていたものが金星だと知ると、なんだかワクワクしますね!
いかがでしたか?
とても不思議な惑星の金星ですが、地球に一番似ているとは驚きですよね。
一番星と呼ばれる金星を見つけてみましょう。
きっと、「1日の終わりのご褒美に」・「これから始まる1日を頑張るための元気の源」になってくれるはずです!