ついにブラックホールが実際にあると証明されましたね!
存在はわかっていたものの、実際見ることはできなかったので感動です。
では、どのようにして見ることができるようになったのでしょう?
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・ブラックホールの存在を証明
世界で大ニュースになった2019年4月10日。ついにブラックホールの存在を証明する画像が公開されたのです。
それはとてもすごいことでした。今まであると言われていたブラックホールでしたが、実際に見ることはできず、証明することができませんでした。
今回のブラックホールはおとめ座銀河団にある楕円銀河M87の中心にあるもの。
地球からの距離は5500万光年離れています。質量はなんと太陽の65億倍!!
なんとも重いブラックホールですが、サイズはコンパクト。特殊な天体なのです。
ブラックホールの周辺は時空がゆがんでいます。
その周りに光るものがあればブラックホールは影としてみることができるのではないかと、200人以上の研究者がチームを組みここまでの偉業を成し遂げました。
・どうやって撮影したの?
この観測は、複数の望遠鏡が使用されました。
距離があるので、このブラックホールを観測するには地球ほどの大きさである望遠鏡が必要になります。
そこで世界に8つの大きな電波望遠鏡を設置し地球サイズの望遠鏡を作り出したのです。
設置場所はこちら。
チリ:アルマ望遠鏡、APEX
スペイン:IRAM30m
ハワイ:ジェームズ・クラークマクスウェル望遠鏡、サブミリ波干渉計
メキシコ:アルフォンソ・セラノ大型ミリ波望遠鏡
アリゾナ:サブミリ波望遠鏡
南極:南極点望遠鏡
この望遠鏡から得たデータを、ドイツにあるマックスプランク電波天文学研究所とアメリカのマサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所にある、高性能のスーパーコンピュータへ送られたのです。
データ分析が行われ、そこから研究者たちが作ったソフトを使い画像化に成功したのです。
・大きな役割を果たしたアルマ
この8つの電波望遠鏡の中でも、大きな役割を担っていたのがチリにあるアルマ望遠鏡です。
ここには66台のパラボラアンテナがあり、これをひとつとして観測した電波望遠鏡があります。干渉計とも呼ばれています。
25台は欧米が、16台が日本で作られ30年ほどの期間をかけて国際共同プロジェクトとして行ってきました。
月にあるゴルフボールが見えるほどの眼。視力は300万。長年かけて作り上げたものはこれほど見えるようなものになったのです。
アルマは12mのアンテナを37台組み合わせて直径70mのアンテナを作り出しました。
ミリ波を観測する世界最大の望遠鏡で感度も高いことから、今回ブラックホールを観測する際に大きな役割を果たしたのです。
これほどまでに精度の高いデータが取れるようになったのは、日本の技術者の力もあったから。
天文学者のほか、設計と製造をした三菱電機と町工場の方々など多くの人々が関わっています。
これを聞くと誇らしいですよね。知られていないことがたくさんあるので、これを機に縁の下の力持ちにもスポットライトが当たると嬉しいですね!
・ある日本人天文学者の残したもの
ブラックホールの観測で公に公開された人物がいます。望遠鏡の中でも要の存在として活躍したアルマに関わった日本人天文学者、森田耕一郎さんです。
電波望遠鏡の研究を長年行ってきた森田さんは、語学堪能で天文学者とのつながりも強いことから2010年に国立天文教授としてアルマチームの一員になりました。
アルマを仕上げる要として大きな役割を担い活躍してきたのです。
しかし、チリに赴任中強盗に襲われ亡くなってしまいます。とても悲しい出来事となりました。
この事件は、アルマの開所式が行われる数か月前のことです。それまで森田さんは奥様にアルマでとらえた惑星の画像を送っていました。
それほど成果を上げていたのです。
このことから、日本で作られた16台のアンテナ群はモリタアレイと名付けられました。
今回のブラックホール観測には、このモリタアレイも活躍したのです。
ブラックホールの観測に成功したから知ることになったのですが、もっとたくさんのドラマがあるでしょう。
さまざまな人々が関わり結束して今回成功したものだということが改めてわかりましたね。
・一般相対性理論は間違ってなかった?!
これはアインシュタインの一般相対性理論のことです。
大きな重力をもった天体のブラックホールがあるとアインシュタインが唱えてから約100年が経ちました。
それが間違いでないのなら、ブラックホールの影の形・大きさを予測できるのです。さらに影の形は円になっているはずだと。
実際、発表された画像は円になっていました。アインシュタインの言っていたことが間違っていなかったといえる確率が高くなったのではないでしょうか。
まだまだブラックホールは存在していると言われています。
私たちの住む天の川銀河の中心にあるといわれているブラックホールについても調べている最中のようですので、これからもっと多くのことがわかってくるでしょう。
ついにブラックホールの存在を証明するものが出ましたね!
やはり存在していたのだと思うと、なんだか嬉しくなります。
宇宙にはまだ知らないことやわかっていないことがたくさんあるのです。
探索も続いていくでしょう。
どこまでわかるのか、楽しみですね!!